トイプードルを飼うんじゃなかった…その深い後悔の理由と解決策

「トイプードル　飼うんじゃなかった」

もし、あなたが今、インターネットでこの言葉を検索しているとしたら、その胸の内には、誰にも打ち明けられないほどの深い悩みや疲れが渦巻いているのかもしれません。

夢に描いていた愛犬との暮らし。それがいつしか理想とはかけ離れた現実となり、時には「むかつく」「手に負えない」と感じ、どうしようもないイライラが募る日もあるのではないでしょうか。

特に「オスのトイプードルは大変」という話を聞いては、「うちの子の問題行動はいつになったら…」と頭を悩ませ、毎月かかる費用と生涯費用を目の当たりにして、「こんなはずではなかった」と後悔の念に苛まれているかもしれません。

飼うデメリットを痛感し、最悪の場合、「捨てたい」とさえ考えてしまう…。それは、あなたが精神的に追い詰められている何よりの証拠です。

しかし、その問題の根っこには、もしかしたら飼い主さんが知らず知らずのうちに行ってしまっている「NG行動」が関係している可能性も考えられます。

この記事では、特定の体験談に偏ることなく、客観的な調査に基づき、その後悔の根本原因を一つひとつ丁寧に解き明かしていきます。

そして、もう一度、愛犬との関係を前向きに見つめ直すための具体的なヒントを、あなたと一緒に探していきたいと思います。

トイプードルを飼うんじゃなかったと感じる理由

夢にまで見たトイプードルとの生活。

それなのに、なぜ「飼うんじゃなかった」という後悔が生まれてしまうのでしょうか。

その背景には、迎える前には想像しにくかった、いくつかの共通した理由が存在するようです。

知っておくべき飼うデメリット

トイプードルとの暮らしは、数えきれないほどの喜びをもたらしてくれます。

しかし、その愛らしい見た目の裏には、飼い主さんが事前に理解しておくべき、いくつかの「デメリット」が存在することも、また事実です。

これらを事前に把握していないと、「こんなはずではなかった」という後悔に繋がりかねません。

調査を進めると、主なデメリットは「手入れの手間」と「求められる関わりの深さ」の二点に集約されることが分かりました。

まず、トイプードルの特徴的なカールした被毛は、抜け毛が少ないという大きなメリットがある一方で、非常に絡まりやすく、毛玉ができやすいという性質を持っています。

これを放置してしまうと、皮膚炎などの健康問題を引き起こす可能性があるため、毎日のブラッシングは欠かせません。

さらに、毛が伸び続ける犬種なので、月に一度のトリミングも必要となり、これが時間的にも経済的にも、想像以上の負担となるケースがあるようです。

そしてもう一つ、トイプードルは非常に甘えん坊で、飼い主さんとの深い絆を何よりも大切にする犬種だと言われています。

そのため、長時間の留守番が苦手で、「分離不安」という心の不調に陥りやすい傾向があります。

日中、家を空ける時間が多いご家庭では、愛犬が過度なストレスを感じ、吠えや破壊行動といった問題行動に繋がってしまうリスクも考えられます。

こうした想定外の手間や、求められる関わりの深さが、後悔を生む大きな要因となっているようです。

賢いトイプードル特有の問題行動

トイプードルは、全犬種の中でもトップクラスの知能を誇る、非常に賢い犬種として知られています。

この賢さは、しつけがしやすいという大きなメリットになる一方で、特有の問題行動を引き起こす原因にもなり得ると、多くの専門家が指摘しています。

賢いがゆえに、飼い主さんの対応をじっくりと観察し、「どうすれば自分の要求が通るか」を学習する能力に非常に長けているのです。

代表的な問題行動の一つに「要求吠え」が挙げられます。

飼い主さんの気を引きたい、おやつが欲しいといった場面で吠え、もし飼い主さんがそれに一度でも応じてしまうと、「吠えれば要求が通る」ということを瞬時に学習してしまいます。

また、警戒心が強い一面もあり、インターホンの音や来客に対して過剰に吠え続けることも少なくありません。

これは家族を守ろうとする本能的な行動ですが、集合住宅などでは近隣トラブルの火種になりかねない、深刻な問題です。

もう一つ、「悪知恵」とも言える行動も報告されています。

例えば、飼い主さんが見ていない隙を狙ってゴミ箱を漁ったり、テーブルの上の食べ物を取ったりする行動です。

叱られることを理解しているため、巧妙に隠れて悪さをするケースも少なくないようです。

これらの行動は、単にその子の性格が悪いというわけではなく、運動不足やコミュニケーション不足によるストレスが根底にある場合が多いと考えられています。

このように、高い知能が飼い主さんの意図とは違う方向へ働いてしまうことが、大きな悩みに繋がっていくのです。

想像以上に手に負えないと感じる瞬間

実際にトイプードルと暮らし始めると、多くの飼い主さんが「想像以上に手に負えない」と感じる瞬間に直面するといいます。

特に、エネルギーに満ち溢れた子犬から若犬にかけての時期は、その有り余るパワーに圧倒されてしまうことが少なくありません。

例えば、室内での絶え間ない走り回りや、家具やスリッパへの噛みつき。

これは子犬の成長過程で多く見られる行動ですが、その執拗さや破壊力に、「自分のしつけ方が悪いのではないか」と自信を失くしてしまう飼い主さんもいらっしゃいます。

特に、小さなお子さんがいるご家庭では、おもちゃを破壊されたり、甘噛みがエスカレートしてお子さんが怖がってしまったりと、予期せぬトラブルに発展することもあるようです。

また、散歩中の興奮も「手に負えない」と感じる大きな一因です。

他の犬や人に会うたびに激しく吠えかかったり、リードを力強く引っ張って飼い主さんが転びそうになったりすることも。

その可憐な見た目からは想像もつかない力強さに、「全くコントロールが効かない」と感じ、あれほど楽しみにしていたはずの散歩が、いつしか苦痛な時間になってしまうケースも見られます。

このような状況が毎日続くと、飼い主さんは心身ともに疲弊し、「もう無理かもしれない」という深い無力感に苛まれてしまうのです。

オスのトイプードルは特に大変？

「オスのトイプードルは大変」という声を、あなたも耳にしたことがあるかもしれません。

これは、性別による行動傾向の違いに起因していると考えられています。

もちろん、性格は個体差が非常に大きいため一概には言えませんが、オスには特有の行動が見られることがある、という点は知っておくと良いかもしれません。

一般的に、オスはメスに比べて縄張り意識が強く、マーキング行動（足を上げて少しずつおしっこをする行為）が出やすい傾向にあると言われています。

室内でのマーキングは、飼い主さんにとって大きなストレスとなります。

一度この行動を覚えてしまうと、修正するには根気強いトレーニングが必要になるため、特に去勢手術をしない場合は、子犬の頃からのトイレトレーニングがより重要になります。

また、オスはより活発で甘えん坊な性格の子が多いとも言われます。

飼い主さんへの依存心が強く、常に一緒にいたいと願う姿はとても愛らしい反面、構ってもらえないと拗ねたり、要求吠えをしたりすることもあります。

この有り余るエネルギーと甘えたい気持ちを適切に満たしてあげられないと、ストレスから問題行動に発展しやすくなる可能性があります。

他の犬、とりわけ他のオスに対してライバル意識を燃やしやすい面もあり、ドッグランなどでトラブルにならないよう、常に注意深い見守りが求められる場面も。

これらの特性が、飼い主さんのライフスタイルや性格と合わない場合に、「オスは大変だ」と感じる一因になるのかもしれません。

毎月の費用と生涯かかる費用の現実

トイプードルを家族に迎える際、その愛くるしさに心を奪われ、つい見落とされがちなのが経済的な負担です。

衝動的に飼い始めてしまい、後から想定外の出費に驚き、飼育が困難になってしまうケースは、残念ながら少なくありません。

まず、毎月の継続的な費用として、主に以下のような項目が挙げられます。

項目	費用の目安（月額）	費用の目安（月額）
ドッグフード代	4,000円～6,000円	体質やアレルギーに配慮すると 高価になることもあります
トリミング代	6,000円～10,000円	月に1回の利用が推奨されます
ペット用品代	2,000円～4,000円	トイレシートやおやつ、 おもちゃなど
医療・予防費	2,000円～5,000円	ノミ・ダニ・フィラリア予防薬など （年間費用を月割計算）

これを合計すると、毎月およそ14,000円から25,000円の出費が見込まれることになります。

さらに、これらの月々の費用とは別に、生涯でかかる費用という長期的な視点を持つことが不可欠です。

ある調査によれば、犬の一生涯にかかる費用は、約270万円から、場合によっては430万円にも上るとされています。

これには、お迎え時の初期費用（生体価格、ケージなど）に加え、毎月の飼育費、そして病気や怪我をした際の高額な医療費が含まれます。

特にトイプードルは、膝蓋骨脱臼（パテラ）や皮膚疾患など、かかりやすいとされる病気があることも知られています。

ペット保険に加入するという選択肢もありますが、それでも毎月の保険料という新たな負担は発生します。

この想像以上の経済的な負担が、飼い主さんの心の余裕を少しずつ奪い、後悔へと繋がってしまうケースもあるのです。

トイプードルを飼うんじゃなかったと悩む前に対処法を知る

愛犬との関係に悩み、心が折れそうになってしまったとき、どうすればその状況を乗り越えることができるのでしょうか。

ここでは、後悔の念を少しでも和らげ、前向きな一歩を踏み出すための具体的な対処法を、様々な情報をもとに整理しました。

イライラする・むかつく感情との向き合い方

愛犬に対して「イライラする」「むかつく」といったネガティブな感情を抱いてしまうことに、強い罪悪感を感じている飼い主さんは少なくありません。

しかし、その感情は決して珍しいものではなく、あなたが真剣に愛犬と向き合っているからこそ生じる、ストレスのサインでもあります。

大切なのは、その感情を無理に否定せず、まずは「今、自分は疲れているんだな」と、ありのままに受け入れることです。

感情がこみ上げてきたとき、まず試してみてほしいと多くの専門家が推奨しているのは、物理的に少し距離を置くことです。

愛犬を安全なケージやサークルに入れ、あなたは別の部屋で深呼吸をするなどして、ご自身の気持ちが落ち着くのを待ちましょう。

感情的な状態で叱っても、愛犬は恐怖を感じるだけで、なぜ叱られているのかを正しく理解することはできません。

むしろ、飼い主さんへの不信感を募らせ、関係を悪化させるだけになってしまいます。

次に、少し冷静になれたら、「なぜ自分はイライラするのだろう？」とその原因を客観的に考えてみることが有効です。

トイレの失敗が続くからか、無駄吠えがやまないからか。

原因を特定することで、具体的な対策が見えてきます。

多くの場合、その行動は愛犬からの何らかのサインです。

運動が足りていない、コミュニケーションが不足している、あるいは体調が悪いなど、愛犬の立場に立って理由を探ることで、怒りの感情が「どうすればこの状況を改善できるだろう」という前向きな思考に変わりやすくなります。

「完璧な飼い主でいなければ」とご自身を責めすぎないこと。

それが、心の余裕を取り戻すための、何より大切な第一歩です。

捨てたいと思う前にできること

「もう限界だ、捨てたい」という感情は、決してあなたに愛情が欠けているわけではありません。

むしろ、真剣に向き合い、その命に責任を感じているからこそ、心身ともに追い詰められてしまった結果と言えるでしょう。

その衝動的な気持ちで取り返しのつかない行動を起こしてしまう前に、飼い主さんとして頼ることができる、具体的なサポートや選択肢がいくつも存在します。

1. まずは一人で抱え込まず、身近な人に相談する

何よりもまず、その苦しい胸の内を誰かに打ち明けてみてください。

一人で悩み続けると、思考はどんどん悪い方向へと向かいがちです。

• 家族、友人、知人：
  最も身近な相談相手です。現状の辛さを正直に話し、具体的な手伝い（短時間の散歩や世話など）を頼むことで、精神的・物理的な負担を軽減できるかもしれません。
• 他の犬の飼い主：
  SNSのコミュニティや近所の公園などで、同じような経験を持つ可能性のある人に話を聞いてもらうことも有効です。有益な情報交換ができるだけでなく、「悩んでいるのは自分だけではないんだ」と知ることで、孤独感が和らぎます。

2. 問題解決のため、専門家の助けを借りる

手に負えないと感じる問題行動には、専門的な知識に基づいた対処が必要です。

• ドッグトレーナー：
  無駄吠え、噛み癖、トイレの失敗といった行動の根本原因を探り、愛犬の性格や家庭環境に合わせた改善トレーニングを指導してくれます。問題解決の糸口が見えるだけで、飼い主さんの精神的な負担は大きく変わります。
• 獣医師：
  問題行動の原因が、実は病気や身体の痛みである可能性も考えられます。特に急な行動の変化が見られる場合は、まず健康状態をチェックしてもらい、医学的な観点からアドバイスを受けましょう。

3. 一時的に距離を置き、心身を休ませるサービスを利用する

四六時中向き合っていることで、ストレスは増大します。

これは決して飼育放棄ではなく、関係を健全に続けるための「戦略的休息」と捉えてみてください。

• ペットホテル、ペットシッター：
  プロに安心して預け、数時間から数日間、愛犬のことから完全に解放される時間を作ります。心身をリフレッシュすることで、冷静さを取り戻し、改めて愛犬と向き合う気力が湧いてきます。
• 一時預かりボランティア：
  動物病院や動物保護団体などが、飼い主さんの緊急時に対応する一時預かりサービスを提供している場合があります。経済的な負担を抑えながら休息を取りたい場合に相談できる選択肢です。

4. 迎え入れた当初の気持ちと、現実を再確認する

少し心に余裕が生まれたら、一度立ち止まって考えてみましょう。

• 初心を振り返る：
  スマートフォンの写真フォルダをさかのぼり、家にやってきたばかりの頃の無邪気な姿を見返してみてください。一緒に暮らすことを夢見ていた楽しい時間や、初めて「おすわり」ができた時の感動を思い出すことで、見失いかけていた愛情が蘇ることがあります。
• 法律と現実を理解する：
  冷静に知っておくべき事実として、日本では「動物愛護管理法」により動物の遺棄は犯罪です。それ以上に、捨てられた犬が辿る運命は極めて過酷です。その最終選択をする前に、利用できるサポートは全て試し、あらゆる可能性を探り尽くすことが、一度は家族として迎え入れた者の責任と言えるでしょう。

追い詰められたと感じたときこそ、あなた一人で決断を下す必要はありません。

これらのサポートは、あなたと愛犬の関係を続けるために存在しているのです。

関係を悪化させる飼い主のNG行動

良かれと思ってやっているつもりの行動が、実はトイプードルとの関係を少しずつ悪化させている…。そんなケースは少なくないようです。

特に賢いトイプードルは、飼い主さんの矛盾した態度を敏感に察知し、混乱や不信感を抱く原因となります。

最も代表的なNG行動として挙げられるのが、「一貫性のないしつけ」です。

例えば、今日はソファに乗ることを許したのに、別の日には気分で厳しく叱る、といった対応は愛犬をひどく混乱させます。

「何が良くて、何が悪いのか」の基準が分からなくなり、結果的に飼い主さんの指示を聞かなくなってしまうのです。

ルールはご家族全員で統一し、いかなる時も同じ態度で接することが、信頼関係を築くための基礎となります。

次に、「過度な甘やかし」も問題に繋がりやすい行動です。

可愛いからといって人間の食べ物を与えたり、吠えるたびにおやつをあげたりする行為は、愛犬に「自分がこの家のリーダーだ」と勘違いさせてしまう可能性があります。

その結果、わがままな性格が形成され、気に入らないことがあると唸ったり噛んだりするなどの、攻撃的な行動に繋がってしまうこともあります。

また、言うまでもないことかもしれませんが、問題行動に対して大声で怒鳴ったり、体罰を与えたりすることは絶対に避けるべきです。

トイプードルのような感受性の強い犬種は、恐怖心から飼い主さんを避けるようになったり、逆に自分を守るために攻撃的になったりする可能性があります。

叱る際は、低い声で短く「ダメ」と伝えるにとどめ、恐怖ではなく理解を促すしつけを心がけることが大切です。

賢さを活かす遊びとしつけのコツ

これまでの対処法が、主にマイナスの状態をゼロに戻すための「守り」のアプローチだとすれば、ここからはゼロをプラスに変えていくための、より前向きな「攻め」の関わり方について考えていきましょう。

トイプードルの問題行動の多くは、有り余るエネルギーと、満たされない知的好奇心に原因があると言われています。

その特性を逆手に取り、賢さを活かしてあげることで、愛犬との時間は驚くほど豊かなものに変わっていく可能性があります。

室内でできる「頭脳系」の遊びを取り入れる

天候に左右されず、たとえ狭いスペースでも実践できる頭脳系の遊びは、トイプードルの満足度を飛躍的に高めてくれます。

身体的な疲れだけでなく、頭を使うことによる心地よい精神的な疲労感が、問題行動を減少させる助けになるのです。

• 「知育トイ」の活用：
  まず試したいのが、おやつを隠せるパズル型のおもちゃです。犬が自分で考えて「どうすれば食べられるか」を解決するもので、簡単なものから始め、徐々に難易度を上げていくことで、飽きずに楽しむことができます。これは、留守番中の退屈を紛らわすのにも非常に有効な手段です。
• 「ノーズワーク」：
  特別な道具がなくてもすぐに始められるのが、この遊びです。犬の優れた嗅覚を使い、隠したおやつを探させるシンプルなゲームですが、犬にとっては本能を満たす非常に楽しい活動です。最初は目の前でおやつを隠すところを見せ、「探して」と声をかけて見つけさせることから始めます。慣れてきたら、部屋の様々な場所におやつを隠してみてください。夢中になって匂いを嗅ぎ、探し当てる姿は、飼い主さんにとっても嬉しい時間となるでしょう。

しつけを「ゲーム感覚」のコミュニケーションに変える

「しつけ」というと、どこか義務感や根気比べのような辛いイメージが伴うかもしれません。

しかし、賢いトイプードルにとっては、大好きな飼い主さんとの楽しいコミュニケーションの時間になり得るのです。

大切なのは、しつけを「ゲーム」として捉え直すこと。

その基本となるのが、「褒めて伸ばす」という考え方の徹底です。

トイプードルは飼い主さんを喜ばせることが大好きです。

何か一つでもできたら、少し大げさなくらい明るい声で褒め、特別なおやつをあげたり、思い切り撫でたりしてください。

この「できたら良いことがある」という成功体験の積み重ねが、犬の学習意欲を飛躍的に向上させます。

「おすわり」や「まて」といった基本的なしつけがある程度できるようになったら、ぜひ新しいトリックに挑戦してみてください。

「おて」や「おかわり」、「スピン（回れ）」など、少しずつ新しい課題をクリアしていく過程は、犬の知的好奇心を満たし、飼い主さんとの間に強い信頼関係を築きます。

これらの活動は、単なる暇つぶしではありません。

愛犬の持つ素晴らしい能力を引き出し、「問題児」ではなく、かけがえのない「パートナー」としての絆を深めるための、最も効果的な方法なのです。

後悔を「飼ってよかった」に変えるには

前述のような具体的なテクニックを実践しても、飼い主さんご自身の心構えが変わらなければ、後悔の念を完全に拭い去ることは難しいかもしれません。

愛犬との関係を根本から改善し、心から「飼ってよかった」と感じるためには、飼い主さんご自身の視点を少しだけ変えてみることが、最終的に最も重要な鍵となります。

「完璧な犬」という理想を手放す

後悔の念に苛まれる多くの飼い主さんは、無意識のうちに「お利口で、手のかからない、理想の犬」という姿を愛犬に求めてしまっています。

しかし、犬も感情を持つ生き物です。

人間と同じように、気分が良い日もあれば、言うことを聞きたくない日もあります。

SNSやテレビで見かける完璧に見える子も、きっと見えないところでは失敗したり、飼い主さんを困らせたりしているはずです。

まずは、その「完璧な犬」という理想を手放してみましょう。

あなたの愛犬は、指示を完璧にこなすためのロボットではありません。

少しわがままで、少し手がかかるけれど、世界に一匹しかいない、かけがえのない家族なのです。

その子の個性や、少し困った癖も含めて丸ごと受け入れる覚悟ができたとき、あなたの心はふっと軽くなるはずです。

小さな成長と「当たり前」の瞬間に目を向ける

問題行動に悩んでいると、どうしても「できていないこと」ばかりに目が行きがちです。

その視点を、意識的に「できていること」や「小さな成長」に向けてみてください。

「今日はインターホンに10回吠えていたのが5回になった」「散歩中、一度だけ名前を呼んだら立ち止まってくれた」など、どんなに些細なことでも構いません。

昨日より今日、少しでも良い変化があれば、それを心から認め、褒めてあげましょう。

また、問題が起きていない「当たり前」の時間こそが、実は最も幸せな瞬間です。

あなたの足元で安心して眠っている姿、お腹を見せて甘えてくる仕草、ただ静かに寄り添ってくれる温もり。

後悔の念は、こうした日常に溢れる小さな幸せを見えなくしてしまいます。

失ってからでは気づけない、その「当たり前」の愛おしさを、今一度かみしめてみてください。

他の犬と比べず、自分の愛犬と向き合う

散歩中に出会うお利口な犬や、友人の飼っている犬と、ついご自身の愛犬を比べて落ち込んでしまうことはありませんか。

しかし、犬の性格も、飼い主さんとの関係性も、百人百様です。

他の誰かと比べることに意味はありません。

大切なのは、よそ見をせず、ただ目の前にいるご自身の愛犬と真剣に向き合うことです。

「この子の良いところはどこだろう」「この子は何をしたら喜ぶのだろう」

そう考える時間を増やすことで、後悔の念は、愛犬への理解と愛情へと変わっていくはずです。

時間はかかるかもしれませんが、あなたとあなたの愛犬だけの唯一無二の素晴らしい関係を、もう一度築いていくことは決して不可能ではないと、私は信じています。

まとめ：トイプードルを飼うんじゃなかったと後悔しないために

「トイプードルを飼うんじゃなかった」という深い後悔から、「この子を飼って本当によかった」という心からの喜びに変えるためには、いくつかの重要なポイントがあります。

これまで解説してきた内容を、最後に改めて確認してみましょう。

愛犬との関係を見つめ直すためのヒントが、きっとこの中に見つかるはずです。

• トイプードルの被毛は毎日の手入れと月一回のトリミングが必須である
• 高い知能は満たされない場合、要求吠えなどの問題行動につながることがある
• 見た目以上に活発であり、十分な運動と精神的な刺激が不可欠だ
• 甘えん坊な性格から、長時間の留守番は分離不安のリスクを高める
• 想定以上の経済的負担が、飼い主の精神的余裕を奪う一因となる
• 愛犬への苛立ちは飼い主が追い詰められているサインであり、自分を責める必要はない
• 一人で抱え込まず、家族や友人、他の飼い主に相談することが第一歩である
• ペットホテルなどを利用し、物理的に距離を置いて心身を休ませることは有効な手段だ
• 手に負えない問題は、ドッグトレーナーや獣医師といった専門家を頼るべきである
• 叱るよりも褒めるしつけが、賢いトイプードルとの信頼関係を築く
• 一貫性のないルールや過度な甘やかしは、犬を混乱させ関係を悪化させる
• 知育トイやノーズワークは、犬の知的好奇心を満たしストレスを軽減する
• 「完璧な犬」という理想を手放し、愛犬のありのままの個性を受け入れる
• 他の犬と比較せず、自分の愛犬の小さな成長や日常の幸せに目を向ける
• 犬を遺棄することは法律で罰せられ、犬の命を危険に晒す行為だと理解する

これらのポイントは、決して簡単なことばかりではないかもしれません。

しかし、一つひとつを意識し、試していくことで、愛犬との関係は必ず変化します。

後悔の念は、あなたが真剣に一つの命と向き合っている、何よりの証拠です。

その気持ちを、これからは愛犬への深い理解と、より良い関係を築くための力に変えていってください。

あなたと愛犬の日々が、再び喜びに満ちたものになることを心から願っています。

※記事内の画像はイメージです。