「ライオンより強い犬」は存在するのでしょうか?
ライオンは圧倒的な体格と戦闘力を持つ動物ですが、一部の犬種には特定の能力でライオンを上回るものもいます。
本記事では、ライオンと犬の戦闘能力を比較し、驚異的なパワーやスピードを持つ犬種を紹介します。
果たして、ライオンに対抗できる犬はいるのか?
その答えを探っていきましょう。
ライオンより強い犬は存在する?ライオンと最強犬種を比較

- ライオンと犬の戦闘能力を比較
- 犬の咬合力が強い犬種とは?
- 闘犬として知られる犬種の特徴
- 大型犬とライオンの体格差とは?
- 犬がライオンに勝てる可能性はあるのか?
ライオンと犬の戦闘能力を比較
ライオンと犬とで比較するにあたって、犬とひとくちに行っても多種多様なものがあり、一つの犬種だけと比べても『犬との比較』という意味合いではちょっと中途半端に感じてしまいます。
そこで、ライオンの各種ステータスの内、特にわかりやすい『体長』『体重』『咬合力(こうごうりょく:噛む力)』『走る速度』の数値と、それを得意とする(あるいは恐らく最大となる)犬種の数値とで比べていきたいと思います。
ライオン | 犬(各犬種のトップ) | |
体長 | 170~250cm | 70cm~90cm (セントバーナード) |
体重 | 150~200kg | 64~120kg (セントバーナード) |
咬合力 | 448万pa(パスカル) | 512万pa (カンガール・ドッグ) |
走る速度 | 時速60km | 時速77km (サルーキ) |
このように、ライオンの体格を見ると人間と比べても、一番低い数値であってもかなり大柄な人と同等以上の体格を持った動物であることが解ります。
咬合力などは人間が思い切り噛んでも110万pa程度が精々と言ったところなので、ライオンはこの4倍ほどの数値となります。
犬の体長と体重に関しては、ライオンの一番低い数値ですらどの犬種も勝てない一方で、咬合力と走る速さに関してはそれぞれ分がある犬種が存在する事が解ります。
因みに、犬の体長でギネスに乗った個体の犬種はグレートデーンで、こちらは111.8cmです。
平均としては最大犬種であるセントバーナードよりも一回り大きなサイズとなっていますが、それでもライオンには大きく及ばず。
ライオンがいかに巨体かというのがよく解る比較だと思います。
犬の咬合力が強い犬種とは?
上述したように、犬の中でも特に優れたものは、咬合力がライオンに勝っています。
ここではこの咬合力が強い犬種上位三種とその数値(単位:pa)を紹介していきたいと思います。
1位:カンガール・ドッグ(512万pa)
トルコ原産の、国宝扱いされるほど大事にされている犬種で、牧羊犬や番犬、軍用犬として利用されてきました。
ジャッカルや狼、更には熊すら相手にして家畜を守ってきた為、自分より大きな相手でも果敢に挑む勇敢さを持ち合わせています。
2位:カネ・コルソ(483万pa)
古代イタリアで軍用犬として使われていたものの一度は絶滅し、復活させられ現代に蘇った、結構特異な道を歩んだ犬種です。
番犬として使われた際は他の犬種や猫を嫌うなど排他的な性格になりやすく、ややしつけが難しいようです。
3位:イングリッシュ・マスティフ(382万pa)
イギリスで元々は闘犬として生み出された犬種ですが、気性がとても穏やかで戦い向きではない為、現在では闘犬として使われなくなっている模様。
体重は80kgと、大型犬としてもかなり重い部類で、食欲旺盛な性質の為に咬合力が高くなったとされています。
闘犬として知られる犬種の特徴

戦う為に生み出される犬にも、用途によってさまざまですが、その中でも特に『闘犬』として犬同士での決闘犬種として生み出された犬は、とても凶暴で力の強いイメージがありますが、以下のような特徴を持っている事が多いです。
マスティフ種である事が多い
これは、世界各地で行われていた闘犬に用いられた犬種の多くが 「マスティフ種」 と呼ばれるためです。
マスティフ種は、古代ギリシアの 「モロッサス」 という犬種を祖先に持つとされています。
日本の犬種では、土佐闘犬がこのマスティフ種に該当します。
マスティフ種は体格や筋力に優れており、非常に力が強い犬種です。
また、それだけではなく、攻撃性も高く、特にオスは獰猛な性質を持っています。
そのため、管理がとても難しい犬種といえます。
海外では 「~マスティフ」 と名のつく犬種が多く存在します。
ただし、名前にマスティフとついていても、必ずしも現代において闘犬として使われているわけではありません。
例えば、「咬合力ランキング」 の3位であるイングリッシュ・マスティフは、闘犬としてではなく、穏やかに暮らす犬種として認識されています。
主人には忠実だが排他的
これは、上記のマスティフ種に限った話ではありません。
闘犬として使われる犬種は、しつけの面でも同様の傾向があります。
主人の命令には絶対に従う一方で、それ以外の人間や犬、動物に対しては極めて攻撃的になるという特徴があります。
このため、一部の闘犬犬種は飼育が禁じられている国もあります。
また、特定の条件下でのみ飼育が許可されるなど、制限を設けている国も少なくありません。
犬同士の噛み合いに耐えられる防御力の高さ
こちらは、土佐闘犬をはじめ、マスティフ種によく見られる特徴です。
相手の犬に噛みつかれても致命傷にならないよう、顔や身体の皮がたるんでいることが多く、高い防御力を持っています。
首回りの筋肉ががっしりとついている
この特徴は、マスティフ種だけでなく、凶暴さで知られるピットブルなどにも見られます。
首回りの筋肉が非常に発達しており、それによって噛む力が強くなります。
犬にとって牙による噛みつきは最大かつ唯一の武器であるため、首回りの筋肉は特に重要な役割を果たします。
大型犬とライオンの体格差とは?
ライオンと大型犬との体格差は、最初の比較でも説明したように、『最も小柄な体格のライオンでも最も大柄な犬種より大きく重い』という点が最も解りやすく示していると思います。
ライオン視点では、犬は人間とさほど変わりない存在と言えるのかもしれません。
犬がライオンに勝てる可能性はあるのか?
状況や条件によりますが、互いに無傷の状態で真正面から1対1で戦った場合、ほぼ確実にライオンが勝つと考えられます。
たとえば、咬合力の高い犬種の上位二種はライオンを上回る噛む力を持ち、場合によっては致命傷を与える可能性もありますが、野生の世界では、大きさと重さが最大の脅威となります。
重さは一撃の威力を増し、大きさはそのまま攻撃力の高さにつながります。
ライオンは大型犬よりも一回り以上大きく、その分、犬を圧倒する強い力と高い威力の一撃を繰り出すことができるのです。
ライオンより強い?優れた能力を持つ犬種5選

- カンガール・ドッグ:羊を守る最強犬
- サルーキ:ガゼル狩りの猟犬
- アザワク:ライオンをも撃退するサイトハウンド
- ローデシアン・リッジバッグ:ライオン狩りの狩猟犬
- グレイハウンド:瞬発力トップの犬
カンガール・ドッグ:羊を守る最強犬

カンガール・ドッグは、世界で最も強力な咬合力を持つ犬種の一つとして知られています。
上の咬合力ランキングでもトップに位置しており、その強靭な顎の力はライオンをも凌ぐとされています。
名前の由来は、トルコ国内のカンガール地方で生み出された犬種であることに由来します。
元々は遊牧民の家畜、特に羊をオオカミや熊などの捕食動物から守るために育成されてきました。
そのため、非常に警戒心が強く、忠誠心に厚い性格を持っています。
カンガール・ドッグから派生した犬種として、「アナトリアン・シェパード」が存在します。
アナトリアンは、カンガール・ドッグの血統が交雑することで生まれた犬種とされることが多いですが、その扱いは国によって異なります。
ある国では「カンガールと同種の犬」として分類される一方、別の国では「単なる交雑種」とみなされることもあります。
このように、カンガール・ドッグはただの大型犬ではなく、歴史的にも機能的にも特別な役割を担ってきた最強の護畜犬の一つなのです。
サルーキ:ガゼル狩りの猟犬

サルーキは、現存する最古の犬種の一つとされ、その歴史は紀元前6000年以上にも遡ります。
エジプト王家と深い関わりを持ち、アラビアの遊牧民と共に暮らしながら、俊足を活かした狩猟犬として活躍してきました。
特に、広大な砂漠地帯でガゼルなどの素早い獲物を追うために育成され、アラブ世界では「アラーの贈り物」とまで称されています。
サルーキの最大の特徴は、その圧倒的なスピードです。最高時速は77kmにも達し、これはすべての犬種の中で最速とされています。
この速度は、ライオンの最高時速60kmをも上回り、一瞬の加速力ではライオンを凌駕することができます。
その体型もまた、俊敏な動きを追求するために進化しました。無駄を一切削ぎ落としたようなスレンダーでしなやかな体型を持ち、まるで風を切るように軽やかに走ります。
そのため、獲物を追い詰め捕獲する能力においては、ライオン以上の優れた特性を持っていると言えるでしょう。
ただし、サルーキは単独で獲物を仕留めるタイプの狩猟犬ではなく、主に長距離を走り獲物を追い込む役割を担っていました。
そのため、ライオンのような純粋な戦闘能力には及ばないものの、「速さ」という一点においては、まさに地上最速の犬と言える存在です。
アザワク:ライオンをも撃退するサイトハウンド

アザワクは、アフリカのマリ共和国とニジェールの国境付近にある、アザワク渓谷山腹を原産地とする犬種です。
古くから遊牧民のパートナーとして飼われ、ガゼルや野兎、ダチョウなどの狩猟に使われてきました。
また、ジャッカルやハイエナ、さらにはライオンをも撃退する勇敢な護衛・護畜犬としても活躍しています。
この犬種は、骨格や筋肉が浮き出て見えるほど皮が薄く、非常に細身な印象を与えます。
しかし、長時間の狩りに耐えられる驚異的なタフネスを持ち、最大時速65kmで走る瞬発力や高い耐暑性にも優れています。
俊敏さと持久力を兼ね備えた、総合力の高い犬種です。
ローデシアン・リッジバッグ:ライオン狩りの狩猟犬

ローデシアン・リッジバックは、アフリカ南部原産の犬種です。
この犬種の祖先は、「ホッテントット・ドッグ」と呼ばれる猟犬で、ホッテントット族(コイコイ族)によって飼育されていました。
もともとは、カバやゾウなどの大型で獰猛な草食動物を狩るため、また、それらの暴走から人間を守るために用いられていました。
しかし、やがてライオン狩りを目的とするようになり、現在ではライオン狩りに適した犬種として知られています。
ライオン狩りに使われるだけあって、非常に勇敢で力強い犬種です。
ただし、単独でライオンと戦うわけではなく、複数匹でライオンを追い立て、鳴き声で主人に居場所を伝えます。
最終的には、猟銃でとどめを刺してもらうのが役割です。
グレイハウンド:瞬発力トップの犬

狩猟犬やレース犬として知られるグレイハウンドは、ヨーロッパ原産の犬種の一つです。
ヨーロッパから世界各地に渡り、「グレイハウンドタイプ」と呼ばれるさまざまな犬種が誕生しました。
グレイハウンド最大の特徴は、驚異的な瞬発力です。
最高速度ではサルーキに及ばないものの、それでも最大時速72kmで走ることができます。
また、記録によると、なんと172.7cmもの高さまでジャンプした例もあり、その運動能力の高さがうかがえます。
瞬発力は、ライオンのような巨体を持つ猛獣との戦いにおいては直接的な攻撃力にはなりません。
そのため、単純な強さとは比較しづらい要素ではあります。
しかし、ライオンのようなネコ科の動物と比べて、はるかに高く跳ぶことができる犬種である点は、興味深い特徴の一つと言えるでしょう。
まとめ:ライオンより強い犬について
最後に、記事のポイントをまとめたいと思います。
- ライオンは体格や咬合力が優れ、大型犬を大きく上回る
- 犬の中でも特定の犬種はライオンの一部能力を凌駕する
- 体長と体重ではライオンに匹敵する犬種はいない
- 咬合力ではカンガール・ドッグがライオンを上回る
- 走る速度ではサルーキがライオンを上回る
- 咬合力が強い犬種としてカンガール・ドッグ、カネ・コルソ、イングリッシュ・マスティフが挙げられる
- 闘犬として生み出された犬種はマスティフ種が多い
- 闘犬種は主人には忠実だが排他的な傾向がある
- 闘犬種は相手の噛みつきに耐えるため、皮膚が厚く防御力が高い
- 首回りの筋肉が発達している犬種ほど噛む力が強い
- 犬は体格差の点でライオンには及ばず、戦闘では不利
- 1対1の戦闘ではライオンがほぼ確実に勝つと考えられる
- 特定の犬種はライオンより優れた能力を持つが、総合的な戦闘力ではライオンが圧倒的
- ライオン狩りに使われたローデシアン・リッジバッグは単独ではなく複数で狩る方式をとる
ライオンより強い犬を探している方にとって、本記事が参考になれば幸いです。
犬にはライオンを上回る咬合力や俊足、勇敢さなど、さまざまな優れた能力を持つ犬種が存在します。
しかし、最終的には体格や戦闘能力の差があり、ライオンと正面から戦って勝てる犬はいないと言えるでしょう。
※記事内の画像はイメージです。
ライオンより強い犬って存在する?驚異のスペックを持つ犬種5選
「ライオンより強い犬」は存在するのでしょうか? ライオンは圧倒的な体格と戦闘力を持つ動物ですが、一部の犬種には特定の能力でライオンを上回るものもいます。 本記事では、ライオンと犬の戦闘能力を比較し、驚異的なパワーやスピードを持つ犬種を紹介します。 果たして、ライオンに対抗できる犬はいるのか? その答えを探っていきましょう。 この記事で分かること ライオンと犬の戦闘能力の違いや比較ポイントが理解できる ライオンより優れた能力を持つ犬種が存在することが分かる 咬合力や速度など、犬がライオンを上回る要素について ...