古くは中国の皇帝から愛されたとされる小型犬、シーズー。
長い被毛に覆われた、ぺちゃっとした鼻とつぶらな瞳を持つ特徴的な顔立ちの犬種です。
ネット上では時折、このシーズーを指して「気持ち悪い」という意見が出てきているという話を聞いたのです。
愛犬家ならば信じがたい意見ではありますが、様々な人の意見が飛び交う昨今ですし、何故そんな風な意見を持つようになったのか、その理由を調べてみようと思いました。
そんな訳で、今回はシーズーが悪く言われている理由について考えてみたいと思います。
シーズーは気持ち悪い?そんな印象を持つ理由とは
まず、何故シーズーを指して「気持ち悪い」という印象を抱くに至ったのか、その理由を探ってみたいと思います。
シーズーの見た目が気になるポイント
シーズーは、小型犬種としてはかなり特徴的な顔立ちをした犬種の一つです。
長い被毛に隠れがちな大きな瞳、そしてぺちゃっとした鼻が愛らしいとされる犬種なのですが、一部ではこれらの特長が逆に「気持ち悪い」と言われる理由の一つとなっているようです。
これに関しては、好き嫌いの範疇でしょうから仕方ないのかもしれませんが、特徴ある顔立ちという事は、その特徴が苦手な方にとってはマイナスにしかならないという事で、比較的納得のいく理由ではあると思います。
シーズーの顔が「気持ち悪い」と感じる理由
では、何故気持ち悪いと言われてしまうのか。
例えば苦手な顔立ちだったとして、すぐに「気持ち悪い」となるよりは、「あんまり可愛くないなあ」「ブサイクだなあ」くらいで収まるものだと思いますが、シーズーに関しては「気持ち悪い」という話になるのも妙な話だと思ったのです。
実際になぜそうなのかと調べてみると、どうにも「ブサイクだから」というのが理由のようです。
例えば同じような顔の特徴を持つパグやフレンチブルドッグなどの「短頭種」と呼ばれる一群はこれを言われる事が多い犬種らしく、鼻が潰れているように見えたり、しわが多かったり、犬としてはかなりのっぺりとした顔立ちをしています。
これが、人によっては気持ち悪く感じてしまい、一部の人にとっては生理的に不快感を感じ、嫌悪感を抱いてしまうことがあるようです。
犬から見れば理不尽極まりないものに思えますね。
つまり、犬側の問題ではなく、人間側の都合の話な訳です。
シーズーの目や鼻に対する反応
そうは言っても、多くの方からは「愛らしい」とされる要因が気持ち悪く映ってしまうのは何故なのか?
それは、シーズーに始まる短頭種が、犬としては比較的人に近い顔立ちに見えてしまうから、というのも理由なのではないでしょうか。
犬は長い間人間と共に暮らしていたため、感情を表情という形で豊かに表せる生き物です。
特にシーズーは平らな顔立ちのため、笑顔や興奮した様子が人間の表情に近く感じられることがあります。
そのため、人間に似た表情をする動物が四足で近づいてくることで、嫌悪感を抱く人もいるのかもしれません。
これは、人形やロボットなどでよく見られる「不気味の谷」と呼ばれる現象です。つまり、「ある程度までは人間に近づくほど親近感を抱くが、一定のラインを超えると逆に不気味に感じる」というものです。
シーズーを気持ち悪いと感じる人にも、同じ現象が起きているのかもしれません。
シーズーの毛並みとお手入れの重要性
シーズーの全身を覆う長い被毛も、シーズーの特徴の一つですが、この長い毛を気持ち悪いと感じる人もいるようです。
これは、アレルギーへの不安や、衣服に毛がつくのを嫌がるなど、衛生面での理由からくる感覚かもしれません。
特に、飼い主がお手入れをしっかりできていない場合、その影響で不快に感じられることがあるのでしょう。
本来、シーズーはあまり抜け毛のない、手入れの手間の少ない犬種です。
ですが、いかに手間が少ないとはいえ、犬である以上毛は抜けますし、きちんと手入れしなければ衣服などに付くことも十分にあるのです。
この場合、飼い主さんは、まずきちんと毎日ブラッシングするなどして、抜け毛が衣服などにくっつかない状況を作ってあげるといいでしょう。
抜け毛のお手入れや処理というのは、きちんとすることでノミやダニなどの繁殖・転移などを防げるだけでなく、シーズー自身の皮膚や生活環境を整える第一歩となる為、かなり重要な要素なのです。
人懐こく飼い主大好きなシーズーにとっても、いいコミュニケーションになる事から、メンタル面でも非常に大きなメリットがあると言えるでしょう。
シーズーの健康問題が外見に与える影響
犬の皮膚は、人間に比べるとかなり薄く、些細な事が原因でアレルギーや皮膚炎などを引き起こしてしまいます。
シーズーには特にその傾向が強く見られます。
例えば、脂漏症という病気では、皮膚が脂っぽくべたついたり、逆に乾燥してフケがたまったようにカサカサになることがあります。
この病気にかかると、皮膚の常在菌が異常に増殖し、臭いの原因になったり、皮膚炎を引き起こしたりします。
そのため、この状態のシーズーを見て「気持ち悪い」と感じる人がいるようです。
飼い主さんであれば、このような症状を見つけたら異常と考え、すぐに獣医に診てもらうことが大切です。
シーズーは気持ち悪い?いやいや実はこんなにかわいい一面も
シーズーは、様々な理由から気持ち悪いという意見がある一方、それ以上に「愛らしい」「可愛い」という意見も多く、人気の犬種の一つとなっています。
ここまではネガティブな話ばかりしましたが、ここからはポジティブな話題ですよ!
シーズーの表情がかわいいと言われる理由
実は、ここまで紹介したことの多くが、そのまま可愛いとされる理由でもあるのです。
例えばつぶらな瞳は、くりくりとしていて人をよく見ている為、目が合うと人を癒したり、優しい気持ちにさせたりしてくれます。
ぺちゃっとした鼻は多くの人にとって美の印象からは遠ざけますが、実際には「ブサかわ」と思える特徴でもあり、近年では特にこれがマイナスに働くことはあまりないのです。
長い被毛のおかげで顔が隠れがちで、これもあってより小顔に見えるため、これが可愛いという印象を強くします。
このように、シーズーは「可愛い!!」と言える要素が沢山ある、愛され犬種なのです。
シーズーの性格に隠れた魅力
シーズーは一般的に快活で社交性の高い犬種とされています。
そのため、多頭飼いにも向いており、子供やお年寄りとも共に暮らしやすい、比較的飼いやすい性格を持っています。
一方で、頑固な一面や時折かんしゃくを起こすこともあり、扱いにくいとされることもあります。
これはシーズーが繊細な性質を持っているためで、飼い主が精神的な不安や不満を溜め込まず、きちんと躾をすることで、ある程度改善できる部分です。
この繊細さはネガティブに捉えられがちですが、実際には、シーズーが人間の感情や表情をより深く理解できる能力にもつながっています。
そのため、ペットとしては人に寄り添い、温かな愛情を感じさせてくれる、魅力的な存在となり得るのです。
飼い主たちが感じるシーズーのかわいさ
きちんとした環境で飼育されているシーズーは、飼い主や家族に寄り添い、べったりとくっつくことが多い人懐っこい性格を持っています。
構うのが好きな方にとっては、その愛らしさがたまらないでしょう。
時折見せる頑固な一面も、ただ甘えるだけではない個性として、飽きのこない魅力の一つに感じられるかもしれません。
また、シーズーのような被毛の長い犬種は、触ったり抱いたりするとふわふわして柔らかく、まるで「生きたぬいぐるみ」のように感じられることも、その可愛らしさのポイントです。
シーズーを飼う前に知っておきたいこと
ここまで見て実際に飼いたくなってしまった方のために、シーズーを飼う際に特に重要なポイントを以下に簡単にまとめてみました。
- 室内飼い前提の為、飼うことができる物件かを考える
これは地味にとても重要なポイントです。
特にマンションやアパートの場合、ペット飼育が許可されているかが重要になってきます。
また、いかに小型犬といえど、最低限犬と一緒に暮らすだけのスペースは必要になる為、この辺りも考えましょう。 - 快活な犬種の為、運動はこまめに行うようにする
トイレも兼ねた毎日の散歩は必須ですし、30分~1時間ほどかけてじっくりと身体を動かしてあげましょう。 - 暑さには比較的弱いので、気温や室温には注意する
シーズーは寒冷地出身の犬種の為、日本の夏の暑さなどにはあまり適応できていません。
夏場などの暑い時はエアコンでしっかり室温管理し、無理に昼間から散歩したりせず、陽が昇る前か沈んだ後に出かけるようにしましょう。 - 被毛を伸ばし過ぎて眼球を傷つけないように定期的にカットする
シーズーは眼球が大きく、また被毛が長い為にこれが眼球を傷つけやすくなっています。
目元まで伸びてきていたらカットしてあげることで、これらによる白内障などを防ぐことにもつながります。 - 定期的な健康管理・健康診断を行う
これはどの犬種でもそうですが、特にシーズーは呼吸器と皮膚周りが病気になりやすいようなので、少しでも異常を感じたなら獣医に見せるようにするといいでしょう。
病気になっていなくとも、定期的に診てもらう事で予防する事にもつながります。
ブラッシングすることで余計な被毛を取り除き、肌の確認にもつながる為、これは毎日するといいでしょう。 - 一杯かまってあげる
最後これは、シーズーが飼い主と共に寄り添う犬種であることから、メンタルを保つためにも重要なポイントです。
愛され大切にされる事で、それがシーズーにとっても大きなプラスとなるのです。
シーズーをもっとかわいくするためのコツ
次に、シーズーの可愛さを保つために必要な事を紹介したいと思います。
- 毎日のブラッシングと定期的なシャンプー
毛玉ができやすく肌も弱いシーズーは、毎日のブラッシングが欠かせません。
きちんとブラッシングをしてあげることで、毛並みもよくなり、ノミやダニなどの寄生虫の排除ができ、健康的な状態のまま維持しやすくなるのです。
また、ブラッシングほどではなくとも、二週に一度ほどの頻度でシャンプーもしてあげることで、衛生的な、より綺麗な状態を保つことができます。 - 定期的な目ヤニ拭き
これも毎日した方がいいお手入れの一つです。
犬は鼻が短いと目ヤニがたまりやすくなるらしく、これが見た目の悪さの原因の一つになりますので、定期的に目を見てあげるといいでしょう。
折角のつぶらな瞳ですので、きちんと綺麗にしてあげましょう。 - トリミングで伸びすぎな毛はカットする
シーズーはブラッシングと同様に、長く伸び続ける被毛をカットする『トリミング』も重要な犬種です。
月に一度はトリミングを行う事が推奨されてます。
トリミングの内容には、伸びすぎた全身の被毛をカットするだけでなく、病気の予防や対策として、耳など毛がたまりやすく病気になりやすい部分のカットや、眼球を傷つけないように目元のカットも含まれます。
これらは健康を維持するために必要なケアですので、事前にトリマーの方と相談して進めると良いでしょう。
シーズーが人気の理由はここにある
何といってもシーズーが人気な理由は、その人懐っこさ、愛らしさにあります。
暑さにこそ弱い面があるものの小型犬としては比較的丈夫で、家族などとも問題なく共生できるのも飼育が楽で好まれる理由でしょう。
一方、一部で「気持ち悪い」と言われるのも、それだけ多くの人から目にされているからなのです。
今回は気持ち悪いというワードでしたが、犬に関してネガティブなお話というのは実はどの犬種でも多かれ少なかれ存在するもので、ネットを調べてみると解りますが、多くの場合、好きな人が気にするほどの事ではなかったりします。
ですので、ネットなどで自分の好きな犬種がネガティブな意見に晒されていたとしても、気にせずそっと閉じてしまう事をお勧めします。
あなたの愛犬には何の罪も無いのですから。
まとめ:シーズーが気持ち悪いと感じるのはなぜ?について
最後に、ここまでの情報をまとめたいと思います。
- シーズーが気持ち悪いと言われる原因は、大きな目やぺちゃっとした鼻などの外見的特徴からきている
- 気持ち悪い要因の一つに皮膚の病気などから来るべたつきや炎症による外見の悪化も含まれる
- 犬の体毛そのものに対しての嫌悪感など、シーズー側が悪いというよりは、そう受け取る人間側の好みや感性の問題である
- 無理解や飼育上の手抜きからきている問題が多い
- 一般にはシーズーは「可愛い」とされる人気の犬種の一つ
- ネット上のネガティブな意見を鵜呑みにする必要はない。可愛いと思うなら可愛いと思って問題ない
- シーズーの可愛いポイントは、つぶらな瞳とぺちゃっとした鼻。つまり、嫌われるポイントがそのまま多くの人にとっての愛されポイントでもある
- シーズーは皮膚病になりやすい為、健康管理には特に注意が必要
- シーズーはブラッシングとグルーミング、トリミングが必要な、比較的お手入れの頻度が高い犬種である
最後に、「シーズー気持ち悪い」と検索している方へお伝えしたいのは、シーズーの特徴的な外見や性格に驚くことがあっても、実際には愛らしい性質を持ち、多くの人に愛されている犬種だということです。
見た目や第一印象にとらわれず、その魅力を知ることで、シーズーの可愛さをより深く感じていただければ幸いです。
※記事内の画像はイメージです。
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